▼ 「みっともなく生きる」これが富裕層への近道だ 【 3 】
「みっともなく生きる」これが富裕層への近道だ
PRESIDENT Online
金森 重樹
金森 重樹
行政書士・不動産投資顧問
前ページ
1
2
3
4
5
次ページ
なぜ、富裕層になるまでは「みっともなく生きる」のか
「富裕層になるまでは言い訳はやめて、みっともなく生きる」
これが、年収1200万〜3000万円の人が陥りがちな「高収入貧乏の谷」を渡るときに唱えなければならない念仏です。谷を渡る橋が細く足元がグラグラする板を渡しただけの不安定なものだとしたら、あなたなら限界まで荷物を捨てて軽くしようと思いませんか?
でないと、深い谷底に真っ逆さまに転げ落ちるでしょう。つまり、生活に必要最低限の費用以外はすべてそぎ落として、全可処分所得を、まずは
貯蓄に振り向け、「 種銭 」をつくる
必要があります(ただし、貯蓄だけでは十分とはいえませんが)。
要は
無駄遣いしない。
これができるかどうかです。実際はできない人も少なくありません。
必要最低限の費用以外はすべてそぎ落とした生活費にすることは、都落ちすることでもないし、恥ずかしいことでもない。ちょっとした勇気と周りにどう見られるかを恐れない心さえあれば可能なのです。
これが、富裕層への道なのです。
生活レベルを落とせない人は自ら転落する
ですが高収入貧乏の人はこれが、身を切るより痛い。消費のグレード(生活レベル)を落とすことが職業生命、名声、信用と消費が密接不可分の関係にあって片方をなくせば片方を失うという関係にあるのが特徴です。
その点、高収入であることは決して貯蓄に対して有利とはいえないのです。
だからこそ、
「 高収入ではない人 」
、
「 本流から外れている人 」
に勝機がでてくるわけです。
では、この生活費を最低限にすることができないという問題をどう解決すればいいか?
これについては、実はアメリカで何度も研究が行われ、もう結果がでています。
問題は、単に倹約をして個々の消費を切り詰めるだけでは解決しません。
ひとつは、ボストン大学社会学教授のジュリエット.B.ショア教授がテレコムの社員(大企業で正規雇用者として働く中流階級および中流階級上層の人々)を対象にして行った調査の結果導き出された統計学の方程式です。
これによれば、貯蓄額に大きな影響を与えている要因は、僕らが当たり前に予測できる年齢、性別、扶養家族の人数、以外に2ポイントあります。
ひとつは教育レベル、もうひとつは「準拠集団(家族や地域、職場など)と比較した経済状態」です。
「みっともなく生きる」これが富裕層への近道だ
PRESIDENT Online
金森 重樹
なぜ、貧しい人に囲まれて生活すると豊かになるか
▼貯蓄額に影響を与える要因1「教育」
教育レベルについては、また項をあらためて解説しますので、結論だけ述べておきますが、教育レベルが高卒、短大、四大、院卒と上がるにつれて、貯蓄額はどんどん「減少」していきます。これは、年収の話ではなく、貯蓄額に影響を与えている要因です。
統計的な調査によれば貯蓄額は学歴が上がるにつれて、「増加」ではなく「減少」するのです。また、教育程度が高いと、買い物が増える傾向は女性に顕著に現れています。
教育レベルが上がれば上がるほど、「ステータス志向が強く、自己顕示や地位のための消費行動に走りやすく」「自分が属したいと思う上位の準拠集団についていこうと熱心」になります(「消費するアメリカ人」、ジュリエット.B.ショア著)。
▼貯蓄額に影響を与える要因2「準拠集団と比較した経済状態」
この教育レベルは、読者の方には既に変えようのない変数ですが、もうひとつの要因はこれからでも変えることが可能です。それは「準拠集団(家族や地域、職場など)と比較した経済状態」。
これもまた、どうやって資産運用のための種銭を作るかに非常に大きな影響を与えます。
この統計によれば、準拠集団よりも自分の経済状態が悪い場合に貯蓄額は激減し、準拠集団よりも自分の経済状態が良い場合には逆に貯蓄額は増加するというものでした。
そして、その影響は「教育レベル」や「扶養家族の人数」が貯蓄額に与える影響をも超えるとても大きなポイントでした。
これから言えることは、自分より貧しい人に囲まれて生活する分にはどんどん豊かになっていくけれども、
自分があこがれていたり、こうなりたいと思っていたりする上位集団に囲まれて無理してついていけば、表面は華やかに見えても貯金はどんどん減っていくということです。
地位(じぐらい)の高い富裕層の多く住むエリアに住むのは、そこに住んでも余裕をかましていられるようになるまで待ちなさいということです。
仮にタワーマンションに住むのであれば、そこの住人たちよりも自分の経済状態がずっと良いような物件を選びなさいということです。
であれば、お金も貯まり、富裕層へ向けての種銭も自動的に増えていくのですから。
孟母三遷という言葉があります。
子供は周囲の影響を受けやすいので、子供の教育には環境を選ぶことが大切であるという教えですが、大人も貯蓄率などにおいて周囲の影響を受けやすいということが、統計的に浮き彫りにされているわけです。
今回の話は、「高収入貧乏」の人には身を切るように痛い統計結果だったと思います。そして、低収入だけど貯蓄額が多い人には福音をもたらしたでしょう。
他人に勝とうと思うその気持ち自体が自分の財政状態に危機をもたらす
、ということを統計データは語っているのです。